SENBAN/Salone del Mobile 2021

SENBAN
人類は火を起こした大昔から回転運動であらゆる文明を生み出してきた。
風車や水車による灌漑設備による農業の発達や製粉加工による食文化の進化、さらに石炭をエネルギー源とする蒸気機関による工場や輸送機器の進化だったり、回転運動は人類の進化とともに発展してきた。
そんな中、いやそんな垂直な進化の中、我々は水平、つまり横乗りの進化で一つ新たな楽しい回転加工の方法を編み出した。
建築家スキーマ建築計画/長坂常(Design)が回転加工のあり方とそれによって生み出されるデザインを考え、工務店であるTANK/福元成武(Product Realization)が実現に向け加工機を作り出し、プロダクトまで制作した。

普段、スキーマとTANKは建築設計と建築施工でタッグを組んでおり、この2社だからできる息のあった作品となった。
旋盤加工は工作物を回転させて切削する加工のことで、基本切削するのに丸くなっていないと跳ね返され、まともに加工できない。
なので、主に丸棒を材料として加工するのだが、今年のヴェネツィアビエンナーレの日本館の設計に携わった時に足場の材料である単管(48.6Φ)と大きさがまちまちの古い角材を接合させたいと考えたのだが、その時に角材で弾かれずに切削するために、回転と同じ方向に回転させた丸鋸を直角に当て48.6Φに切削する加工を考えた。それでテーブルやらベンチなどいくつか家具を作り会場に設置した。ただ、この各々の対象の形に影響受けずに求めている形を切り刻んでいくこの勇ましい丸鋸旋盤はなかなか面白く、どんなものを当てがったらどんな面白いものが生まれるか?と好奇心をくすぐる。
そこで今回3種類の旋盤加工機を作り、それぞれ複数作品を作った。

SENBAN1
オブジェクトをある向きに回転させ、その回転と同じ方向に回転させた丸鋸をそのオブジェクトにY方向に近づけながらX方向に移動していくことで筒状に加工される。
ベネツィア・ビエンナーレ2021のために作り上げたもので、既存のコーヒーテーブルを加工しツインズを作った。

SENBAN2
オブジェクトの回転と直角方向に回転するものをZ方向に近づけると、そのオブジェクトが回転しながら斬られ、結果がお椀上にくり抜かれる。今回、加工対象となるオブジェクトはTANKにあった端材を水平方向に組んだものと、垂直方向に組んだもの2種類作った。

SENBAN3
オブジェクトの回転と直角方向に回転するものをそのオブジェクトXY方向に近づけることとで加工し対象のオブジェクトを筒状に削った。

 

Design_Jo Nagasaka (Schemata Architects)
Text_Jo Nagasaka (Schemata Architects)
Product Realization_Naritake Fukumoto(TANK)
Photo credits_Schemata Architects&TANK
Place_Alcova Outdoor Area A3 / VIA SIMONE SAINT BON 1 MILANO
Date_September 4th – 12th, 2021